『火垂るの墓』(1988年)

火垂るの墓 [DVD]

上映当時観たような気がしていたが、結局観ていなかったようだ。で、観た。監督の高畑勲が語っていたとおり、これは反戦映画ではないね。

なんらかの理由で家族や親戚を頼れない状況になった場合、現代でも起こり得る悲劇だと思う。というか実際に起こっているだろう。他人事とは思えないので観ていてつらかった。

確かに兄(清太)がうまくやれば起こらなかった悲劇なのだろうが、私は清太の気持ちもよく分かるんだな。私は彼を責める気にならない。でもまあ、もうちょっと叔母さんのご機嫌を取ってもよかったろうなぁ。

野坂昭如の原作は読んでいないが、アニメ化としては文句のない出来栄えなのでは。特に妹(節子)役の声優を見つけたことは最高の仕事のひとつだろう。