日向薬師(宝城坊)

関東有数の見仏場所らしい。1/8は本尊開扉されることもあり、行ってみた。
小田急伊勢原駅からバス終点下車。登り難い石段を登りきると、見事な茅葺きの本堂が見えてくる。今日は初薬師の日ということもあり(だから本尊が開扉されるのだろうが)、結構流行っているなあ。
本堂にも仏像が数体あるようだが、遠く小さくてよく見えない。恐らく比較的新しい仏像なのだろう。
主役となる仏像が揃っているのは宝物殿。さすが関東有数だけあり、国宝はないが、国重文目白押しである。
仏像は大きく以下の3つのセクションに分かれている。

  1. 薬師三尊(鎌倉時代・国重文)…向かって右、薬師は丈六坐像
  2. 本尊である厨子入り薬師三尊(平安時代・国重文)、四天王(鎌倉時代・国重文)、十二神将鎌倉時代・国重文)…正面
  3. 阿弥陀如来鎌倉時代・国重文)…向かって左、丈六坐像

まずは右側の鎌倉期の薬師三尊を見る。この薬師如来はパンチパーマのヤーさんに見えなくもない(笑)。月光菩薩おちょぼ口日光菩薩は手つきが色っぽい美人仏で、なかなか僕の好み。ただ、横から見れば分かるのだが、この両菩薩はちょっと下半身デブ(残念)。
次は正面の秘仏である本尊。こちらの薬師三尊はナタ彫りで有名なのだが、厨子に隠れてよく見えないのだった(泣)。写真で見る限り、素朴で荒削りな仏像。
その代わり、周りの四天王及び十二神将はじっくり鑑賞できる。四天王は評判通り、顔や身体の筋肉の盛り上がり方が素晴らしく、非常に完成度が高い仏像だ。これに比べると、十二神将はちょっと見劣りするなあ(十二神将は鎌倉後期〜室町前期の頃の作とのこと)。
最後は左側の阿弥陀如来いとうせいこう氏も書いているが、鎌倉期ながらちょっと藤原期の面影のある阿弥陀だ。
宝物殿では、お坊さんが法話のようなことをされていたが、正直言ってあまり有難いお話じゃなかったなあ(苦笑)。