2015-01-01から1年間の記事一覧

『思い出のマーニー』(2014年)

ジブリの原点のひとつともいえる世界名作劇場を想い起こさせる雰囲気の映画。謎解き部分は素直に楽しめたし、驚いた。ただ、主人公杏奈の「こじらせ」具合が見ていて痛々しくて、共感しにくかった部分もある。いやもちろん、こういう人もいるのだろうけど。…

『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994年)

観終わった後この映画をどう解釈すればよいか悩んでいたところ、昭和時代の学生運動や左翼運動の隠喩という説を読んで、なるほどと思った。監督の高畑勲の真意は知らないが。面白い場面は多かったけど、全体として面白かったというとどうかなぁ。いずれにせ…

『おもひでぽろぽろ』(1991年)

高畑勲監督作品。農村問題の描き方は今見ると陳腐に感じられるのだが、公開当時のバブル期だとそうでもなかったのかな。また、主役の(大人時代の)タエ子がウブすぎるのも気になった。相手役のトシオの下心なんて最初から見え見えだったと思うがなぁ。原作…

『火垂るの墓』(1988年)

上映当時観たような気がしていたが、結局観ていなかったようだ。で、観た。監督の高畑勲が語っていたとおり、これは反戦映画ではないね。なんらかの理由で家族や親戚を頼れない状況になった場合、現代でも起こり得る悲劇だと思う。というか実際に起こってい…

『かぐや姫の物語』(2013年)

監督の高畑勲が言いたかったことを全部理解できたとは思わないのだが、人間賛歌、自然賛歌の映画として見た。欠点はあっても、いや欠点があるからこそ、生命はそれ自体が美しい、みたいな。そういった意味では漫画版『風の谷のナウシカ』と通底するものがあ…

『風立ちぬ』(2013年)

最後はとにかく泣けた。こんなに泣けた宮崎駿作品はたぶんこれだけ。堀辰雄の『風立ちぬ』の内容を脳内補完(?)してしまったからかもしれない*1。大人向け作品としてつくられたとのことで、生きる希望が湧くというよりは、人生のたそがれを感じさせる内容…