『風立ちぬ』(2013年)
最後はとにかく泣けた。こんなに泣けた宮崎駿作品はたぶんこれだけ。堀辰雄の『風立ちぬ』の内容を脳内補完(?)してしまったからかもしれない*1。
大人向け作品としてつくられたとのことで、生きる希望が湧くというよりは、人生のたそがれを感じさせる内容である。ジブリのあの絵柄が最適だったかどうかはよく分からない。ハリウッドならアニメではなく実写でうまくつくったであろうと想像する。
庵野秀明の声が良かったかどうか。うーん、結局泣けたから悪くはなかったんじゃないのかな。喫煙場面が多すぎるという批判もあって、まあ確かに多かったなと。それが当時の実態に近かったのだろうけど。
菜穂子関連の話はまったくの創作なので、主人公の堀越二郎の名前を変えたほうがよかった気もするが、変えたくなかった宮崎駿の気持ちも分かる。
音楽は例によって久石譲。『旅路』はマンドリン(かな?)の印象的なかなりヨーロッパ風の音楽だけど、ヨーロッパと縁の深い内容なのでこれはこれで良いのだろう。
『菜穂子』はロマンティックな曲。特にピアノが印象的な『出会い』が好き。