埼玉県立近代美術館「椅子のデザイン−日本の〈座〉の誕生から未来へ−」

椅子ブームってまだ続いているのかな? ブームの頃はブルータスか何かの雑誌で、狭いワンルームマンションにたくさんの有名椅子を集めている人が紹介されてたな。狭い部屋には合わないっての。ブームに踊らされてたんだな。きっと今はもう集めてないだろうな。

閑話休題、この企画展。当然、椅子がたくさんあった。実際にその場で座ることのできる椅子もあれば、座ることのできない鑑賞用(?)の椅子もあり。

第1章:椅子のかたちはどのように生まれたか

要は椅子の歴史。作品がなかなか集められないんだと思うが、ちょっと中途半端かな。日本人と椅子との関係について(縄文時代くらいに遡ってほしい)、もうちょっとキチンとした説明でもあればよかったと思う。

第2章:戦後のデザインと消費社会

戦後に作られた主に日本人がデザインした椅子や、1950〜60年代のホテルのラウンジ等の写真があった。写真を見ると、日本もどっぷり「ミッドセンチュリー」してたんだな、ということがわかる。後年火災にあったホテルニュージャパンの写真もあった(涙)。

渡辺力の「ヒモイス」に座りたかったんだけど、これは観賞用だった(残念)。新居猛の「ニーチェア」、実は僕の部屋にもある。これ、安くて機能的だね。

第3章:機能から共生へ

アートとしての椅子の紹介。倉俣史朗の「ミス・ブランチ」は、薔薇が埋め込まれた透明な椅子で、綺麗だね。吉岡徳仁の "Honey-pop" は、ハニカム構造の紙で作られた床、壁、椅子から成るインスタレーション。素材は安っぽいのに緊張感のある作品。

コレクション部門

開館当初から「椅子の美術館」として親しまれてきた当館のコレクションは60種類を数えるまでになりました。全館を使ってご紹介します。

というわけで、企画展示室外にも、リートフェルトイームズといった有名椅子がたくさん設置してあった。

公募部門

埼玉県内の小・中学生から「あったらいいな、こんな椅子!」という夢の椅子を募集しました。埼玉県立近代美術館賞がほんものの椅子に、9点の優秀賞がミニチュア模型になるほか、応募された2265点のデザイン画をすべて展示します。

一見「ふふん」という企画だが、意外に面白いよ、これ。美術館賞や優秀賞のものは良く出来てるし、それ以外も侮れない。この企画は成功だね。

というわけで今回の企画展、特に家族連れにオススメかな。

http://www.saitama-j.or.jp/%7Emomas/003kikaku/k2004/k2005.01/k2005.01.htmhttp://www.saitama-j.or.jp/%7Emomas/003kikaku/k2004/k2005.01/k2005.01.kobo-part.htm

美しい椅子〈2〉にっぽんオリジナルのデザイン力 (エイ文庫)

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