週刊日本の仏像 No.40「願成就院と浄楽寺 運慶仏めぐり」

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今号は、比較的最近運慶作と認定された東国の仏像を特集している。
静岡県の願成就院阿弥陀如来坐像(鎌倉時代・重文)は、ふっくらした顔が平安時代の影響を感じさせる仏像。写実的な衣のひだはさすが運慶と思わせるが、言われないと運慶作には見えないなぁ。
当初はあった玉眼が今はないので、盲目の人の像のように見える。

神奈川県の浄楽寺の阿弥陀如来及び両脇侍像(鎌倉時代・重文)は、特に両脇侍の菩薩が良くも悪くも色気のない(汗)のが運慶らしい。確実な運慶作品としては唯一の菩薩立像とのこと。菩薩像なら、ライバルの快慶のほうが一般受けしそうだなぁ。
やはり運慶作の仏像は、仁王や八大童子のようなカッと目を見開いた仏像のほうが親しみやすいように思う。
そう言った意味では、運慶作かもしれないという横浜市称名寺光明院の大威徳明王坐像は、かなり傷んでいるのが惜しいね。運慶作の五大明王像があったとすれば、素晴らしかったろうなぁ。

(追記)この光明院の大威徳明王坐像が、重要文化財に指定されるみたい。