Bunkamuraザ・ミュージアム「美しき挑発 レンピッカ展」

レンピツカ NBS-J (ニューベーシック・アート・シリーズ)

陶器のような質感の近未来的な雰囲気の肖像画で有名な、アール・デコ期の女性画家。レンピッカ自身が魅力的な女性で、その人生は波乱に満ちている。

意外に宗教画もこの画風にしっくりくる。『マドンナ』は円い輪郭のキャンバスが特徴。レンピッカの描く人物は特に「目」が印象的で、仏像でいうところの玉眼みたい。

宗教画風の絵で一番人気なのは、『初めて聖体を拝領する少女』じゃないかな。とにかく白くて神々しく、レンピッカ自身もお気に入りの絵だったそう。モデルは彼女の娘のキゼット。キゼットかわいいよキゼット。

Tamara De Lempicka (Pegasus)

『緑の服の女』もキゼットがモデル。この絵は美しくもりりしいねぇ。キゼットは多くの作品でモデルを務めているが、彼女にとってレンピッカはあまり良い母親ではなかったそうな。

『タデウシュ・ド・レンピッキの肖像』は、レンピッカの最初の夫の肖像画。ビッグショルダーのコートがお洒落。この絵を描いた当時はすでに離婚寸前だったため、結婚指輪をはめた夫の左手を未完のままで残すことにしたらしい。

ワンパターンな絵で途中で飽きそうな予感もあったが、十分に楽しめた。ただし、良くも悪くも画集を見るだけでその良さが十分伝わる種類の絵のような気もした。