東京国立博物館「仏像 一木にこめられた祈り」

仏像のひみつ
東京国立博物館http://event.yomiuri.co.jp/2006/butsuzo/
作品の期間替えがあるので本当は2回行きたかったのだが、結局前半期間しか行かれず。向源寺の十一面観音菩薩立像が観られなかった…。縁がなかったということか。

檀像の世界

檀像大好き。緻密な彫りが堪らん。日本で作られたものも十分緻密だと思っていたが、中国の唐で作られたもののほうが断然彫りが細かいことがよく分かった

一木彫の世紀

前半期間の主役は、宝菩提院願徳寺蔵の菩薩半跏像。確かに綺麗なんだけど、綺麗すぎて平成の作品のように見えちゃったような…。
他にも、本でよく紹介されているような有名な仏像がいっぱいで、見所多し。

鉈彫(なたぼり)

表面にノミ目を残した仏像で、霊木から次第に仏像が現れてくる過程が示されているんだそうな。また、関東から東北地方に多いのも特色で、そういえば奈良や京都ではあまりこういうのを見ないな。
日向薬師(宝城坊)の秘仏薬師三尊とも再会。宝城坊では厨子に隠れてよく見えなかったのだが、今回マジマジと観ると意外に味わい深いことが分かった。今までは、あまり鉈彫には興味がなかったのだが。

円空と木喰

一気に時代が跳んで、江戸時代。
まずは、円空の十一面観音菩薩立像・善女龍王立像・善財童子立像の三尊像に心底感動した。トーテムポールみたいな長細いシルエットは1本の丸太から無駄なく切り出すための苦肉の策みたいだが、結果的にとても芸術的な仕上がりになったと思う。芸術には、ある程度の制約があったほうがいいのか。
十二神将立像なんて、いわれなきゃ十二神将って分からん(汗)。
円空の仏像を観るときは、頭の中が「見仏」モードでなく「芸術」モードに切り替わるね。
木喰は、可愛らしい十二神将が見所だと思った。