週刊日本の仏像 No.43「蟹満寺 釈迦如来と観音寺・十一面観音」

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蟹満寺の釈迦如来坐像(飛鳥時代白鳳時代)〜奈良時代・国宝)は、大型の金銅仏である。薬師寺薬師如来並の大きさ。古風な雰囲気は白鳳時代風だが、威厳のある顔付き(というか怖い顔)が印象的。

蟹満寺には蟹満寺縁起に登場する聖観音菩薩坐像(平安時代)もあるのだが、本誌では小さな白黒写真しか紹介されていない。ググッてみると、胴以下は室町時代の後補という情報があった。

本誌のもうひとりの主役が、観音寺の十一面観音立像(奈良時代・国宝)。聖林寺の十一面観音と並ぶ木心乾漆造の代表作で、京都では唯一の遺例だそうな。
男性的な聖林寺の十一面観音はいまいち私の好みではないのだが(汗)、観音寺のものは親しみやすい顔付きがいいね。

その他、本誌には南山城の仏像がいくつか紹介されている。特に印象に残ったのは、海住山寺かな。五重塔鎌倉時代・国宝)は美しいし、当初の彩色が残っている四天王立像(鎌倉時代・重文)も見事(ただし小さい)。