国立新美術館「ルーシー・リー展」

芸術新潮 2010年 06月号 [雑誌]

日本文化の影響を受けた民芸風のバーナード・リーチに対し、現代的なルーシー・リーといったところか。

いかにもルーシー・リーらしい「掻き落とし」の技法や独特なラッパのような造形の花器は、実はあまりピンと来なかった。溶岩釉もなんだか東アジアっぽくて、いまいち独自性を感じないような。というか、何が東アジア風で何がルーシー・リー風なのか、私の知識が不足していてよく分からないのが悲しい……。

その代わり、黄色や青の釉薬を使った作品(特に黄色!)、ウェッジウッド社のためのプロトタイプあたりは好みだなぁ。あと、陶器のボタンが素晴らしい。ピーコートあたりに付けてみたい。

会場では生前のルーシー・リーを取材したビデオも上映されていて、実際の作品のつくり方やルーシー・リーの考え方・人柄がよく分かる。20分程度の長さなので、これは必ず見るべき。

それにしても、ルーシー・リーは素敵な歳の重ね方をした人だなぁと。私が女性だったら、このようなおばあさんになりたいと思った。