三菱一号館美術館「マネとモダン・パリ」

芸術新潮 2010年 05月号 [雑誌]

三菱一号館美術館には初めて来たのだが、この周辺はお洒落な雰囲気だね。さすが三菱財閥。ビル風が強いのが難点。

さて、エドゥアール・マネ芸術新潮2010年5月号で予習して行った。芸術新潮の表紙に採用されている『すみれの花束をつけたベルト・モリゾ』とは、3年ぶりの再会である。これだけ魅力的に描いてもらえれば、モリゾさんも本望でしょう。彼女は黒がよく似合うね。

とにかくマネといえば、ベルト・モリゾを始めとする人物画。まず印象に残ったのは、『街の歌い手』というかなり大きな作品。ドレスの色合いが美しさが、この大きさによってさらに引き立っている。

『秋(メリーローランの肖像)』は、花を散りばめた不思議な背景が面白い。

『死せる闘牛士(死せる男)』はもともとの絵が不評で、絵を半分に切った片割れだそう。でも結果的に、静謐な雰囲気が漂う素晴らしい作品になったと思う。

こちらがもう一方の片割れ(これは今回の展示作品ではない)。そういう背景を知ると、なんだか中途半端な作品のように見えてしまう。

マネは自画像を2点しか描かなかったそうで、その1つがこれ。これは以前ブリヂストン美術館で見たことがあるはず。

BRUTUS (ブルータス) 2010年 6/15号 [雑誌]
マネの描く男性人物画は、なかなか着こなしがお洒落だと思う。Brutus(ブルータス)2010年6/15号の表紙に採用されている『ラテュイユ親父の店』の男性は、黄色いジャケットと紺色のスカーフの組み合わせが素晴らしい。うまく口説けたのかな?(笑)

マネの男性人物画を見ると、当時の男性のズボンにはまだクリース(折り目)が付いていなかったことが分かる。クリースを付けるようになったのは20世紀以降だったはず。『ブラン氏の肖像』は、ジャケットとパンツの色合わせと少し覗くベストがお洒落。これは国立西洋美術館でも目立っていた作品だった。

というわけで、マネの描く女性は美しく、男性は格好良いなぁということです。