『耳をすませば』(1995年)

耳をすませば [DVD]
いやー、甘酸っぱいね、青春賛歌だね。少女漫画が原作ということもあり、やっぱり少女向きの内容。まだ純真な女の子なら、こんな男の子と出会って恋をしたいと思うだろう(たぶん)。

生活描写が細かいことには感心した。特に主人公の月島雫の自宅の狭くてゴチャゴチャした雰囲気とか。普通のアニメだとこのへんは省略したり美化したりしそうである。

雫は、中学生になった『ちびまる子ちゃん』みたいだなと。まあその要因は主に髪型なんだけど、けっこうズボラなところとか、しっかり者の姉がいるところとか。友人の原田夕子*1は、おさげ髪のたまちゃんか。

相手役の天沢聖司は、クールなようでいて意外に用意周到な策士だなと。彼の自宅は景観が見事だけど、懸造で耐震性が心配だったりして。

主題歌の『カントリー・ロード』をセッションするところは、大きな見せ場のひとつ。でも野暮なマジレスをすると、即興でこんな編曲を加えるのは不可能だよね。出だしのバイオリンの編曲は、即興どころかじっくり考えてもなかなか思いつかないよ。また歌の音程がちょっと不安定なところは現実味があってよいと思ったが、わざと音程を外して歌ったのではないような気もする。

脚本・絵コンテ・制作プロデューサーを宮崎駿が担当していて、監督は若くして亡くなった近藤喜文宮崎駿に何かと文句を言われながら監督するのはつらかったのではないかと想像する。この記事はちょっと泣ける。

実写版のアイドル映画にしても似合いそうな作品ではなかろうか。監督は大林宣彦あたりで。多少の特撮は必要になるけど。

*1:赤毛のアン』に似ていると思ったら、実際に似させているらしい。