東京国立博物館「興福寺創建1300年記念 国宝 阿修羅展」

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平日でも、行列はなかったけど結構人が多かった。
主役の阿修羅立像奈良時代・国宝)は、かなり大袈裟な演出(汗)で展示してあった。阿修羅を360度から鑑賞できるのはよいのだが、いかんせん人が多くて…。それに、照明が暗いんだよなぁ。量感のない阿修羅には、こんな派手な演出は似合わないような気がしないでもない。

そう言った意味では、第2会場の鎌倉仏のほうが見ごたえがあった。運慶の父親の康慶作という現仮金堂の四天王立像鎌倉時代・重文)は、でっぷりした慶派らしくない仏像。大きくて迫力がある。

同じく仮金堂の薬王薬上菩薩立像鎌倉時代・重文)は、さらに巨大な仏像。特に頭が大きめ。運ぶのがたいへんだったろうね。薬王・薬上菩薩自体が珍しいが、さらにこの大きさとなると他にはないだろう。

ちなみに、上記の阿修羅も四天王も薬王・薬上菩薩も、それに運慶作と判明した仏頭も、いずれも今は亡き西金堂の仏像だったらしい。現在興福寺では中金堂の再建を計画しているが、西金堂の再建は私の生きているうちはムリだろうな。